ビットコインが7万3000ドルを割り込む、15ヶ月ぶり安値を更新

仮想通貨市場における「底探し」の旅は、投資家が想定していたよりも遥かに深く、暗いものとなりつつある。2026年2月5日、ビットコイン(BTC)価格は重要なサポートラインと見なされていた73,000ドルをあっさりと割り込み、一時72,500ドル付近まで急落した。これは2024年11月以来となる約15ヶ月ぶりの安値水準であり、市場は完全なパニック状態に陥っている。

CoinGlassのデータによると、この急激な価格変動により、過去24時間で全仮想通貨市場において8億ドル以上のポジションが強制清算された。市場参加者のセンチメントは「極度の恐怖」に張り付いたままであり、強気派の砦が次々と決壊していく様相を呈している。

目次

8億ドルの大量清算とロングポジションの壊滅

今回の大暴落は、レバレッジをかけたロング(買い)ポジションを持っていたトレーダーにとって、壊滅的な打撃となった。清算された8億ドルのうち、実に85%以上がロングポジションであったことが報告されている。多くの投資家が「75,000ドルが底である」と判断して押し目買いを試みたものの、売り圧力の強さがそれを上回り、ロスカットの連鎖(ロングスクイーズ)を誘発した形だ。

特にイーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)といった主要アルトコインの下落率はビットコインを上回っており、一部の銘柄では二桁台のマイナスを記録している。デリバティブ市場における建玉(オープンインタレスト)は急激に減少しており、投機的な資金が市場から強制的に退場させられたことを示唆している。トレーダーのSkew氏は、市場の流動性が極端に薄くなっていることを指摘し、「買い板が枯渇しているため、少額の売り注文でも価格が大きく下がりやすい状況だ」と警鐘を鳴らしている。

トランプ関税とETFの乖離現象

今回の下落の主因として、依然として市場に重くのしかかっているのが、ドナルド・トランプ大統領による新たな関税政策への懸念である。輸入品への高関税がインフレを再燃させ、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げシナリオを遠のかせるという見方が、リスク資産全般への売りを正当化している。ドルインデックス(DXY)が上昇傾向にあることも、ビットコインにとっては逆風となっている。

不可解なのは、現物ビットコインETFへの資金フローとの乖離である。Farside Investorsのデータによれば、暴落の前日においてさえ、米国の現物ビットコインETFは全体として純流入を記録していた。通常であればETFへの資金流入は価格上昇の触媒となるはずだが、現在はそれを上回る規模の「現物売り」が市場を支配していると見られる。これは、Galaxy Digitalのクライアントによる売却のような大口の売りがまだ続いているか、あるいはマクロファンドがリスクオフのために現物を投げ売りしている可能性を示唆している。

テクニカル分析が示す「売られすぎ」と次の防衛線

テクニカル的な観点からは、ビットコインのRSI(相対力指数)は日足レベルで30を下回る「売られすぎ」の領域に突入している。過去のパターンに従えば、ここからの自律反発が期待される水準ではあるが、下落のモメンタムがあまりに強いため、アナリストの間では慎重論が支配的だ。

著名アナリストのKeith Alan氏は、次の主要なサポートラインとして72,000ドル、そして最悪のシナリオとして心理的節目である70,000ドルまでの下落を視野に入れるべきだと述べている。もし70,000ドルを明確に割り込むような事態になれば、長期的な上昇トレンド自体が崩壊し、さらに深い「仮想通貨の冬」が到来するリスクも浮上してくる。市場は今、正念場を迎えている。

まとめ

GENAI

ビットコイン価格が73,000ドルを割り込み、15ヶ月ぶりの安値を記録したこと、そしてそれに伴い仮想通貨市場全体で8億ドル規模の強制ロスカット(清算)が発生したというニュースは、市場が「調整」の域を超え、パニック的な「清算の連鎖」によるショック状態にあることを意味しています。
これは、これまで強気目線でレバレッジ(借入)をかけていた多くのトレーダーが一掃され、市場のポジション状況が強制的にリセットされたことを示しています。

この事象の核心は、8億ドルという巨額の清算額にあります。価格が重要なサポートライン(支持線)とされていた73,000ドルを割り込んだ瞬間、価格上昇に賭けていたロングポジション(買い持ち)の自動売却注文が大量に発動し、それがさらなる価格下落を呼ぶ「ロングスクイーズ(踏み上げの逆)」が発生しました。15ヶ月ぶりの安値という事実は、2025年に築き上げられた上昇トレンドの大部分が否定されたことを意味し、市場参加者の心理(センチメント)は「押し目買い」から「資産保全」へと急激に冷え込んでいます。

市場構造的・技術的な分析を行うと、この暴落には「痛みを伴う健全化」という側面があります。メリットとしては、過剰な楽観に基づいたハイレバレッジの投機建玉が整理されたことで、市場の過熱感が完全に払拭され、現物主導の健全な価格形成に戻る土台ができた点です。通常、こうした大規模な清算の直後は、売り圧力が枯渇して一時的な反発(ショートカバー)が起きやすくなります。

しかし、リスクとしては、73,000ドルという岩盤だと思われていた価格帯が崩れたことで、今後はこの価格帯が強力なレジスタンスライン(上値抵抗線)に変化し、回復を阻む重い蓋となってしまう技術的な悪化が懸念されます。

今後の展望として注目すべきポイントは、この急落を受けて「現物ETF」のフローがどう反応するかです。もし、この安値圏でブラックロックやフィデリティなどのETFに大量の資金流入(押し目買い)が観測されれば、それは機関投資家がこの価格を「バーゲンセール」と捉えている証拠となり、V字回復の起点となるでしょう。逆に流出が続けば、底なし沼のようなさらなる深掘りを探る展開が警戒されます。

※当サイトの情報は投資判断の参考となる一般的な情報提供を目的としており、特定の暗号資産(仮想通貨)への投資を勧誘するものではありません。当サイトの情報に基づいて生じた損害やトラブルについて、当編集部は一切の責任を負いかねます。ユーザーご自身の判断と責任において情報をご利用ください。

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