
メタプラネット、2026年の営業利益81%増を予測:ビットコイン・オプション戦略が奏功

日本最大のビットコイン保有企業であるメタプラネット(Metaplanet)は、2026年12月期の連結営業利益が前期比81%増の114億円に達するとの見通しを発表した。2025年度には、ビットコインのオプション取引によるプレミアム収入が寄与し、営業利益が前年比17倍という驚異的な成長を遂げている。市場の価格変動を収益機会に変える同社の戦略は、日本の企業財務における新たなモデルケースとして注目を集めている。
オプション戦略が牽引する収益爆発と2025年度の圧倒的実績
メタプラネット社の2025年度決算によれば、同社の営業利益は62億9,000万円(約4,080万ドル)に達した。この飛躍的な成長の原動力となったのは、保有するビットコインを活用した「オプションの書き込み(売り)」戦略である。2024年にはわずか6,910万円であったオプションプレミアム収入は、2025年には79億8,000万円へと急拡大した。
この戦略により、同社の総売上高は前年比738%増の89億円を記録している。現在、同社は35,102 BTC(約24億ドル相当)を保有しており、2026年度の収益の大部分もこれらの保有資産から生み出される見込みだ。最高経営責任者(CEO)のサイモン・ゲロヴィッチ氏は、ビットコインの現物保有だけでなく、そのボラティリティを収益化する手法が、同社の財務基盤をいかに強固にしているかを強調している。
評価損1,000億円超の衝撃とキャッシュフロー重視の事業継続性
一方で、ビットコイン価格の乱高下は同社の純利益に大きな影響を及ぼしている。2025年末にかけてビットコイン価格が12万5,000ドルの最高値から9万ドルを割り込む水準まで下落した際、メタプラネット社は1,022億円の非現金評価損を計上した。これにより、最終的な純損益は950億円(約6億500万ドル)の赤字となっている。
しかし、ゲロヴィッチ氏は、この赤字が帳簿上の評価損に過ぎず、営業キャッシュフローには影響しないことを説明している。事実、同社は2026年度の売上高が前年比約80%増の160億円に成長すると予測しており、事業運営における自信を崩していない。ビットコインの価格下落局面においても、オプション戦略を通じて着実に現金を積み上げる能力こそが、同社の「日本版マイクロストラテジー」としての真価を裏付けている。
まとめ
GENAI日本のメタプラネット社がビットコインのオプション取引を活用し、2026年度の営業利益が前年比で約8割増加するという強気の見通しを示したことは、上場企業による暗号資産の運用手法が、単なる「保有」から「高度な収益化」へと進化していることを象徴しています。
これは、ビットコインを単なる投資資産としてだけでなく、企業のキャッシュフローを直接的に生み出す源泉として活用できる実例を市場に示したといえます。
この戦略の中核にある「オプション取引(プット・オプションの売り)」とは、ビットコインを特定の価格で購入する権利を他者に与える代わりに、その対価として手数料(プレミアム)を受け取る手法です。例えば、ビットコイン価格が一定の水準を下回らない限り、同社は安定した手数料収入を得ることができます。同社はこの手法によって、前期には営業利益を17倍という驚異的な規模まで拡大させました。これは、不動産オーナーが家賃収入を得るのと似た感覚で、保有する資産や購入枠を活用して継続的な利益を積み上げる仕組みを構築している状態といえます。
技術的・財務的なメリットとしては、相場が横ばいであっても収益を上げられるため、市場の停滞期においても企業の収益基盤を安定させられる点が挙げられます。一方で、相場が急落した際には、あらかじめ決めた価格でビットコインを引き受ける義務が生じるため、その時点の時価よりも高い価格で資産を買い増すことになり、帳簿上の評価損が拡大するリスクを孕んでいます。また、このような高度な運用は、市場のボラティリティ(価格変動)を収益に変える技術的なノウハウが不可欠であり、一歩間違えれば大きな損失につながるという二面性を持っています。
今後は、メタプラネット社のように自ら市場で立ち回る「アクティブなビットコイン保有企業」が、保守的な投資家からどのように評価され、同様の収益モデルを採用する企業が日本国内でどこまで広がるのかが、企業ファイナンスの新たな潮流として注目すべきポイントです。

